小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則

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4153200115 小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice 11)
黒沢 健二
早川書房

by G-Tools

Ruby On Railsは、触ってみるとおもしろかったが、使い込んでみるとそれほどエキサイティングでもなかった。
きっと、Ruby1.8と1.9の非互換性に悩まされたRuby自体へ不信感が原因の多くを占めている。
そんなRoR信者でないbmにとっても、37signalsは気になる存在。
彼らのsimplicityへの追求とそこに活かされるセンスは半端でない。(時々、首をひねることもあったりするけれど。)
彼らのblogは定点観測のお気に入りポイント。
本書の全体的なテイストは、いかにもアメリカの成功企業による指南書、という感じ。
内容はいわゆるのそれとはだいぶ逆を行っているが。
即自分の生活に生かせるかどうかは別として、彼らのスタイルが凝縮されている。37signalsをなんとなくでも追っている人なら、あぁ、あのときに言ってたことか、と思い出される内容多数。
組織を小さいままに保って失敗を許容し、何でも自分でやってみろ、と。そして最近日本ではやりのフリーミアムへの言及も。
なかでも失敗からは学べない、と言う主張はおもしろかった。

失敗は成功の源ではない。ハーヴァード・ビジネススクールのある調査によると、一度成功した企業は次もうんと成功しやすい(次ぎに成功する確率は34%)。しかし最初に失敗した起業家が次に成功する確率は、初めて起業する人と同じでたったの23%だ。一度失敗している人は、何もしなかった人と同じぐらいにしか成功を収めていない。成功だけが本当に価値のある体験なのだ。
これは自然界と全く同じなのだから、驚くべき事ではない。進化は常にうまくいった物の上に築かれ、過去の失敗は引きずらない。

初めてであっても23%もが成功って!とそれだけでもびっくりだが(成功の定義は何だろう?)、この、失敗者に慰めにもならない容赦なさがすてき。そうだよ、失敗なんかしない方が良いに決まってる!精神論みたいなもので変に意味づけしなくても良いのだ。
でも、もし失敗が全くの無駄であれば失敗した劣群(下位)77%(100%-23%)の23%だから18%弱しか成功しない計算になるので5%ぶんは足しになってるのかな。引用元に当たってないのであらかじめ補正されてるかわからず。
本書で特筆すべきはテキストの気持ちよさ。
simplicityへの追求は本書のテキストでも行われており、本当にミニマムの書かれて推敲が行き届いているのでとても読みやすい。
ITな人でなくてもきっとすいすいと読める。
このテキストの気持ちよさは多分に和訳の質にもよっている。
本書では変わらない物を守る存在として日本車(企業)を例に挙げているが、本書の和訳がTOYOTA問題のさなかに発売されるというのは何という皮肉だろう。かわいそうに。

価値を加えていると思っている物が実際には価値を減じていることもある。

の説明として

ケチャップが多すぎるとフライドポテトを台無しにしてしまう

は秀逸。これから使おう。使いたいアテは数え切れないほど、ある。

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