インターネット新世代 (岩波新書)
師匠の新刊。やっと読めた。
![]() | インターネット新世代 (岩波新書) (岩波新書 新赤版 1227) 岩波書店 2010-01-21 by G-Tools |
タイトルの「インターネット」はいわゆるの大文字インターネット(the Internet)ではなく広義の小文字インターネット(internet)ととらえた方が良い。
「インターネット2」から12年を経た本書、タイトルは「インターネット3」ではなく、「インターネット進化論」。これから「インターネット進化論」とか「インターネット人間論」とか「インターネット時代をゆく」とか「インターネット時代 5つの定理」とか続くのだろうか。(嘘です)
そこらの新書なら5,6冊に相当するだろう内容が1冊にコンパクトにまとめられていて、先生のビジョンも明確に表現されている。コンパクトなので個々のトピック扱いには濃淡あり。
とはいえ難しい顔をして読む本ではなく、カフェでカフェモンテカルロでも飲みながら読むのがあってるのでは。読んで損はなし。
読んでいて悲しくなってしまったのがIPv6.
3章の最後に、オマケのように5ページだけ裂かれている。
v6についてはもう何年もどこでもかしこでも言いまくって話疲れてしまったし、もはや「新時代」の話ではないという判断なのかもしれない。
村井先生の愛がさめたら、v6は虫の息・・・?
最近話題にならないだけで、実はすっかり世の中に定着してます、という技術でもないしなぁ。
twitterを「井戸端会議という、近所のうわさ話に花を咲かせる」モデルであると書かれているのにはちょっとびっくりした。この場合の「近」は何の尺度だろう。もちろん、物理的距離ではないだろう。bmは井戸端会議はtwitterというよりSNSの日記機能かなと思っていた。
twitterのパンデミック性が井戸端会議の「ここだけの話」性と対極にありそうだと思っているのだけれど、読み間違ってるかな。ちなみにSNSは本書の後半で企業内の活用の形で扱われている。
奇しくも今日wideのIRCサーバ終了のお知らせが発表されたこと自体が、後半に書かれている
こうして、インターネット関連では、純粋な技術論で標準化を決めることが徐々に困難になり、発言力の強さはマーケットの力を背景とするようになりました。
のなんたるか(上の文章はよりわかりやすく「標準化」を「使い方」と読み替えても良いだろう)を示しているようでうら悲しい。
本書には、こまめに「繰り返しになりますが〜」などと始まる1文がある。
その前数ページで述べた内容を1文でまとめて説明している。
テクニカルターム(とはいえ、ほとんどがビジネス書などに出てくるレベルだが)が舞う文章の中で読者が迷子になり始めた頃に、ばすっと救いの手をさしのべて正しい道に引き戻してあげる。
(実際、どれくらいを先生が書いているのかはわからないけれど)これは本だけでなく、先生の話のうまさの一つはここにあるのだとおもう。ちなみに、授業中のまとめ話のサインは「だからな、おまえら・・・」。



