渋谷で全天球映像ハシゴ

PARCOのTOMATO展へ。

THE TOMATO PROJECT 25TH ANNIVERSARY EXHIBITION “O” | PARCO MUSEUM | パルコアート.com

休日はすごく混んでいたので逃げてしまったが、平日の昼下がりはすいていてゆっくり見られた。
撮影自由。

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tomato exhibition at Shibuya PARCO #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

tomato exhibition at Shibuya PARCO #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

彼らのworksのうち日本企業がクライアントの物を中心に所狭しと展示されていて、歩くたびに当時の思い出がよみがえってくる。作品は古さを感じさせる物ではないが、私の中ではノスタルジックな体験。

チケットは3FとB1Fのギャラリーを見て回るためのものだが、もう一つのお楽しみは8FのGear VR体験。
先日のunderworldの来日ライブを全天球映像で楽しめる。(こちらはチケット不要、無料で体験できる)
こちらもほぼ並ばずに体験できた。

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リアルタイムイベントには参加できなかったので初体験。
スタッフのお姉さんが装着をインストラクションしてくれてからコンテンツ再生もしてくれる。
ボールチェアに座ってくるくる回りながらのgear VR体験は予想より楽しかった。
解像度も、精緻かと言われるとそうでもないがまぁまぁ問題ないレベル。
おそらくリアルタイムイベントでの配信はここまで解像度出ていなかったのではないかと思う(勝手な予想)ので、リアルタイムに体験した人も見直す価値があるのでは。

並び直してif rahとBorn Slippyを体験。
違うチェアでの体験になったが2つめのBornSlippyを聞いているとおしりや背中のクッションから、昔のSEGAのbody sonicのように重低音が振動として伝わってくる、、、気がした。
体験しているときは伝わってきてると思っていたが、体験が終わって機材を返しながらスタッフのお姉さんにその話をしたらそういう設備はついていない、とのこと。完全にだまされた。不思議な感覚。

印象的だったのは、結構編集がされていたこと。
酔いがこわくて全天球映像はあまりカメラを大きく動かさず、編集をしづらい物という印象があった。
複数カメラをディゾルブできりかえる程度かと思っていたらカメラ間もカットで切り替えるし向きも全然変えるし(だから自分から積極的に首を振って見たい物を探す楽しみもあった)でも別に酔いなどはなかった。
とはいえ、おそらくこれでも相当に慎重に編集しているのだと思うけれど。
世の中が慣れてくればもっとバキバキ編集するようになるのかも。
「リアル」ではなくて編集や効果を含めた作品として楽しむ方向性がやっぱり面白い。

その場で新型のGearVRを買えるとのことだったが、5分悩んで購入せず。
そんな TOMATO展は4/3まで。

PARCOから歩いて3分のタワレコではBABY METALの展示イベント。
そのなかでもGearVRコンテンツの展示が。
タワー&TOWERmini全店 BABYMETALニューアルバム「METAL RESISTANCE」発売記念“スペシャル企画開催DEATH!” – TOWER RECORDS ONLINE

こちらはかなり混んでいて、いかにもなおじさん達から mini baby metalみたいな女の子からパンクな白人女性からと湿度高め。

撮影は場所限定。
衣装の展示部分などは撮影不可。

babymetal exhibition at towerrecords Shibuya #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

展示はほぼスルーして奥のGearVR体験ブースへ。

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こちらは展示と別にチケットを買い、それを渡すとGearVRを渡してくれて「あとは勝手にやってね」スタンス。
真ん中のボールチェアを除くとなかなかの場末感。

うまくボールチェアを占拠できたので再度くるくる回りながら全天球体験。
コンテンツは固定カメラを中心に3人が踊る新曲のKARATEの振り付けを見る、というもの。
撮影場所はタワレコ地下のスタジオ。
回転を速くするためかイントロからワンフレーズまで。
1分程度?

これで展示チケット+500円(合計1000円)はかなりお高い。
アイドル物価ってやつかしら。
新曲が「こういうの作っとけば良いんでしょ」的なイマイチ感があったのでそれも手伝ってか、ちょっと不満足。
PARCOのを見たあとだからなおさらかも知れないけれどコンテンツのクオリティ、ホスピタリティの差に世の中の厳しさを感じる。
これがスポンサーの有無の差なのかと思ったり(勝手な妄想)。
でも結構な人がBABY METALのGearVR体験までしていた。
体験してる人はみんな静かなので彼らの印象は読み取れず。

こちらの展示は4/10まで。

やはりVR系はいろいろなコンテンツを体験してみないとわからないことが多い。

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現代美術のキーワード100

現代美術のキーワード100 (ちくま新書 779) 現代美術のキーワード100 (ちくま新書 779)
暮沢 剛巳


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この本について書くように頼まれていたことをすっかり忘れていた。
この本は100のキーワードから「現代アート」を解説しているが、100はキーワードと言うよりは章立てだと考えた方が読みやすいと思う。
つまりリファレンス的なものと言うよりは頭から読んでいくタイプ。
カバーしているワードに偏りがあるし、並べ方も時代や話の流れの通りに並んでいる。
作品の写真もほとんど無くて代表作並べてあるだけなのでたぶん、最初に読んでも分かりづらいのでは。
言うなれば、教科書的ということか。
書いてあることが理解できてもなんだかしっくり来ない。身になった気がしない。
そう、義務教育で歴史を習わされて”歴史の流れ”をおぼえられも”歴史”が全然分からなかったような。
読み終わったら「ごくろうさま」で終わってしまうような
アマゾンのカスタマレビューにも書かれているとおり、暮沢氏もいい加減ネタ切れと見える。
・・・と、頼まれた書評でもクチの悪いbmが書くと持ち上げられない。
現代アートについて何となく新書を読んでみるのであれば、カバレッジは低いが

現代アートビジネス (アスキー新書 61) 現代アートビジネス (アスキー新書 61)
小山 登美夫


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こちらの方が脚色がありつつも臨場感があって面白いのではないかと思う。
小山登美夫だし。
アンチキャピタリズムの人は舌打ちしそうだが。

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不完全な現実―デジタル・メディアの経験

不完全な現実―デジタル・メディアの経験 不完全な現実―デジタル・メディアの経験
藤幡 正樹


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藤幡正樹の最新刊。
といっても2005年から2008年のInterCommunication誌への寄稿をまとめたもので、文章自体はちょっと前のものだ。
文章はちょっと前でも内容は古くなっておらず考えさせられる。
一部蓮見重彦の様でもあり、一部シェークスピアの様でもあり、彼の文章のなかにはいろいろなテイストとモチーフが混在する。

そう、デジタルカメラの本質は「見ないことの実践」なのだ。

という途中の結論のひとつがこの本の大きな特徴を示している。
メディアアートのような堅い理屈をベースとした”アート”を好きでない人はこの本はひどく受け入れがたいであろう。
「この人は何を言っているんだか・・・」
と一言で片付いてしまうだろう。
堅いのが好きなbmにとっては歯ごたえのあっておいしい1冊でした。
ゆっくり時間のあるときに、お勧め

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ツーアート

ツーアート (光文社知恵の森文庫) ツーアート (光文社知恵の森文庫)
ビートたけし


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タケシとタカシのアート談義。本屋で見かけて購入。
ちなみに「たけし」の方はこの本では「北野武」でなく「ビートたけし」の名前を使っている。
談義と言ってもあまりかみ合っていない。
対談ではなく、メールのやりとりのような、それぞれがある程度まとまった文章を投げ合っている形。本当はどうやって本を作ったのかは不明。
 個人的にはタカシの作品自体には何も思わないが、彼の作品の(本書で言う)「包装紙」には興味がある。彼の賢さと器用さとバランス感覚は希有な存在だと思う。タケシの映像(座頭市とDolls)は刺激的だが、絵にはどうにも思わない。ある面で成功した人がこういう風にうまくない部分でも持ち上げられてしまうのはちょっとキケンかな、と。
最初はお互いを持ち上げつつ、そのごはタケシが持論を展開してそれをタカシが解説していく、と言う感じ。タケシはタカシの話をあまり受けてない。冒頭にさらっと触れる程度で話がすぐ次へ行く。2人とももっと深く考える人だと思うから、結局字面に起こす時に相当削って読みやすくされちゃったのがこの本なのだと思う。
商業芸術を突き詰める二人がものすごい「アート」という言葉にこだわっていることは分かった。
「なぜそこまで?」と思うくらい。
「アート」の定義なんてどうでも良いじゃない、守備範囲なんてどうでも良いじゃない、と思うのだけれど。
商品のラベリングとしては重要な言葉なのだろうか。
本書の後半、タケシの持論にはなるほどという指摘がいくつか出てくる。
ただ、結局二人とも高見からの謙遜をし続けているようですんなりと解釈に入ってこない。

オランダのロッテルダムにある画廊通りには、精神障害者の作品ばかりを置くギャラリーが一般のギャラリーと同様に店を構えているそうです。そのギャラリーにはアトリエがあって、日々、障害者が通ってくると言います。

このギャラリー、ご存じの方は情報下さい。
障害者の作品だからと言って、この本で書かれているとおり

彼らの絵の中に、それぞれの人生も見えてくるだろうし、名画なんかを見るよりスリリングだし

とは思わない、変な言い方をすればタイの絵を描く像の作品のような描けただけ「すごいね」というような内容しか上がってこないかもしれない。
ただ、一度見てみたい。
この文庫本は今月の発売だが原書は2003年発売で、それから5年も経っているので今からこの内容について書くのは後出しじゃんけんのようでちょっとどうなの、という感じだが。

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