NHK日本賞のパネルディスカッションのustream配信しました

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毎年この時期の恒例行事、日本賞。
今年で40回を数えるNHKが主催する映像やWebサイト・ゲームなどの教材のコンテスト。
名前から誤解されやすいけれど、国際的なコンテストで世界各国からエントリーを募集しています。

今年もその一部として教育コンテンツ世界制作者会議(IPCEM/イプセム)と言うイベントが開催されました。
毎年、教育工学的にホットなトピックが取り上げられるパネルディスカッションで、NHKの取材などをベースに構築されるセッションが多くもたれます。
JAPAN PRIZE International Contest For Educational Media -日本賞-

許可を頂いて今年のセッション1をustream配信しました。
実はNHKの局内からustream配信をするのは世界初。
放送と通信は融合していく必然なのです、ふふ。

セッションのテーマはMOOC。
「大規模オープンオンラインコース」と訳されます。
edX、Courseraなど、世界中の大学が無料で公開する無数の授業のビデオをまとめたサイトを活用した学習プラットフォーム。
大学が教材や授業のビデオを公開するのは以前から行われていた(OCWなど)けれどもそれをとりまとめる仕組みを作ってプラットフォーム化しましょう、というのがMOOCの特徴です。
今までも野良で情報集約したりまとめているサービスはあったけれども、Courseraなどはコンテンツプロバイダである大学などとがっちり組んで教材を提供します。講義授業や配付資料などだけではなくリフレクションの課題やLMS的な仕組みも用意されていて、授業によっては数十ドルで履修証を発行してもらうことも出来る。プラットフォーマーにとっては学習のbig dataがたまっていくのでここに大きな大きなビジネスチャンス。
大学は自前で宣伝しなくて良いので余計なコストがかからず気が楽になり、他校の教材を取り入れることでリアル教育のコストも削減で嬉しい(のかな)。

今月、日本でもMOOCの推進団体が起動。
JMOOCとは | JMOOC | 日本オープンオンライン教育推進協議会

最近これもまたバズワードになり始めている反転教育(Flipped Classroom)などでの活用事例が紹介されました。
反転学習とは、事前にオープンオンラインコンテンツなどを用いて勉強してから授業に臨み、授業では問題を解いたりディスカッションをするなど実践的な内容を行う教授方法。
今までの教育が教室で学んで事後に家で(宿題等の形で)問題を解いたりしてリフレクションする形が基本になっているのに対し、学校と家でやることがひっくり返るので「反転学習」。

サンノゼ州立大学では早期から特にエントリーレベルの授業で反転を取り入れているとのこと。
数学や電子工学での授業の例が紹介されました。
edXで事前学習し、授業では3人組みで問題を解く。解らないところはどんどん挙手して教授に聞いていく。
心理学やコンピュータ工学など、どんどん採用される授業の幅がひろがっているとのことでした。

edXなどから受ける、レベルが高い学生向けというオープンオンラインコースのイメージと反してエントリーレベルから導入した理由が印象的でした。
・edXについては3年生のクラスからはじめた
・学生は言語で相当な苦労しているので数学からはじめた
・大学に入った学生が、まずは基本的な学習が出来るようにした
・高校生の間にも授業を受けられるようにして、入学後大学にスムーズに慣れるようになっていく事を目指した
・入学してくる学生のなかで化学・数学・工学などの単位を取得出来る人が少ない。理系の学位取得率は16%程度ととても低い
・そのため、基本的な学力向上のためにオンラインコースを活用している

この辺は日本と大きく違ったお国柄と思えるところと日本にも通じることが入り交じっていると思いました。

・これって相当モチベーションの高い学生にはよいけれど、(態度として)普通以下の学生にとってはとてもハードル高いのでは。
・サンノゼ州立大学長もおっしゃっていたとおり相当学習プロセスがアクティブでないと成立しなさそう
と、元(興味のある分野以外は)受動的学習者(学生)だった私の印象でした。

その他Courseraの共同創業者や今のところ唯一の日本からのCourseraのプレイヤーである東大の理事も参加したプレゼンテーション・ディスカッションがもたれ、密度の濃い90分でした。(東大の江川氏がしきりにMOOC参加の投資対効果について「これからだ」と強調していたのも印象的でした。いろいろ苦労があるんだろうなぁ)

ustreamは事前告知をほとんどしなかったにもかかわらず、960view行きました。
さすがNHKのコンテンツ力。
直前に聞いたところではスライドに細かい文字などは出て来ないだろう事が解ったので、映像の解像度を抑えて音声にビットレートを傾けつつ3G回線で見られるレベルに全体のビットレートを抑えたのが良かったか。
オトナの事情によりustreamのアーカイブを出来ないのがもったいない。

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