3Dプリンタフィラメントの海水・耐海水実験

3Dプリンタ買ったばかりで使い道で夢が広がっている初心者ですこんにちは。

3Dプリンタで出力した造形物はどの範囲なら実用に耐えるのか。
一般的にはこの記事がわかりやすい。
Make: Japan | ABSかPLAか? 正しいフィラメントの選び方

おおざっぱに
ABS 熱に弱い 柔軟性がある
PLA 脆い 

とされているが、水にはどうなんだろう。
というわけで水に浸けてみる。

モデルはなるべく表面積を多く撮るためにメッシュにした平板。縦横20mm。

どちらも同一メーカで約2800円/Kgの、中程度もしくはやや中の下程度のお値段のフィラメント。

これを10日間水に浸す

上方 白いのがPLA、下方赤いのがABS
右側がカルキを抜いた東京の水道水
左側がそれに海水と同じ濃度の3%の塩分を加えた食塩水

ふたをして毎日同じ時間(手作業のため約1時間程度の誤差アリ)に撮影。

Day1

その後、毎日撮影するものの変化が少ないのでばっさり省略

Day5(中間地点)

その後、毎日撮影するものの変化が少ないのでばっさり省略

Day10 (最終日)

10日間で見た目は全く変わらなかった。
も少し朽ちていくものかと思ったのだけれど。

取り出しても10日前と見た目ほとんど変わらない。

ヴァイス(万力)で潰してみる。

まずはPLAから。

左が海水漬、右が淡水漬。
before…

 ↓

 ↓

海水・淡水とも水に浸ける前とほぼ同じ力でつぶれた。

続いてABS

before



幅12mmまで締めたところで海水漬けの方が割れて吹っ飛ぶ。


さらに締めると淡水漬の方も割れる。

(完全に露出とピントを失敗した)結果写真がこちら。

PLAは海水漬・淡水漬ともにほとんど変化なし。強度も変わらず。
ABSは海水漬けがかなり脆くなり、淡水漬けもやや脆くなる。

ABSよりPLAの方が脆い、と言うのが常識だが海水に浸けると事情が異なるようだ。
とはいえこれだけ表面積を稼いだ造形物を10日間浸けてこの結果なので、海で使うモノも、淡水で使うモノも、長期的に浸かっているようなものでなければツールとしての実用性はあると思って良いだろう。

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3D初心者が3Dプリンタを買ってみた

フリーランスとしていろいろなお仕事をさせていただいてきたけれど、映像も開発も3Dの案件はなるべく避けてきた。
四六時中ずっと三角関数と行列を頭と紙(!)の上でいじってをしているのがどうも苦手。
VRMLが出てきた頃に多少触ってみたものの頭が重くてドロップアウト。
単純計算を頭の中でぱぱっとやるのがどうも得意でない。
全く出来ないこともないので、3Dまわりがヘヴィでない案件はさせていただいたこともあるけれど。

VR周りが面白いこともあり、今年は重い腰を上げて3D周りを触ってみようと一念発起。
やはり触れるものがあった方がモチベーションになるだろう、と今更ながら3Dプリンタを購入。

いろいろサーベイして、結局購入したのはこの機種

FlashForge社のCreator Pro
安価な3Dプリンタでは業界標準的なMakerBotのReplicator系列の互換機(派生機?)なので多くのソフトウエアが対応している(だろう)ことととYoutube等で見た感じ同等モデルの中では作れるモデルサイズも大きい方だし成果物もキレイだったこと。
プリンタ内が密室になっているので温度管理もしやすくシロウトにも扱いやすいだろう、と勝手に想像したのもあり。

購入前の調査でスペック的に残念なのは有線/無線LANに対応していないことだが、これは妥協できるレベル。

安価な3Dプリンタの原理は大きく2種類

  • FDM(細長い紐状の素材を溶かして積層していくもの)
  • SLA(液体樹脂を紫外線レーザーを当てて固めて積層していくもの)

があり、SLAのほうがプリンタもランニングコストも高いが出力がキレイ。

原理についてはこちらがコンパクトにわかりやすい
3Dプリンターとは~3Dプリンターの原理や出力方式を解説 | リコー

上記のプリンタはFDMのもので、以下FDMが前提。
なにぶんシロウトのFirstTouchメモなので、変な点をご指摘いただけるとありがたいです。

3Dプリンタは一部を除いて材料となるフィラメントの互換性がある(材質と系の太さを気にすれば良く、それが合っていればだいたい使える)ので、普通のプリンタのようにベンダーロックされずランニングコストは変わらない。

Amazonを眺めていると、フィラメントはよく使われる材質(ABS/PLA)とも1Kgあたり2000円強〜5000円くらいで価格と質の関係性は今後の検討課題。

届いたプリンタは説明書が間違って入っていたこともありYoutube等見ながら組み立てたけれど10分もあれば組み立てられるレベル。工具も同封されているレンチ以外は不要。

その後の初期調整(台座の水平出し)も3分くらい。

一緒に購入したものの中で必須だと思われるものはこれ。

INOUE カーボンはがしヘラ 65mm 17042
井上商会
売り上げランキング: 371

成果物は台座に張り付いているので引きはがすためのヘラ。

フィラメントはABSとPLAが1つずつ同梱されていたけれど練習用にお安めのフィラメントもいくつか購入。

とりあえず同梱されていたフィラメントと落ちていた3Dデータであまり意地悪でない(細かい突起などが少ない)ものをプリントアウト。

IMG_0930

IMG_0940
(PLA,210℃/60℃)
210℃はプリンタヘッドの温度(プリンタ温度と言うらしい)で60℃は台座(ベッドと言うらしい)の温度設定。PLA素材ではこの温度が標準らしい。

積層のディザは見えるものの、まぁまぁのでき
3Dプリンタで造形するには温度設定などある程度慣れが必要だと言われているけれど、何も考えずにやってもぐちゃぐちゃにならなかったのでプリンタが結構賢いようだ。

造形にかかった時間は21分で、1Kgのフィラメントを3000円とすると、コストは約6円。
IMG_0934

とりあえず最低限のセットアップが出来たことがわかったので、今回はここまで。

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